アブラツノザメ

縄文時代から続くサメ食文化

アブラツノザメは、サメ類で最も美味とされていて、味は淡泊で身がやわらかく、加熱したあとに冷めても美味しくいただけます。良質な肝油がとれることや、背びれに特徴的な太いトゲがあることから、アブラツノザメと名付けられました。

アブラツノザメは水深200mより深い海域を泳ぐ深海のサメで、寒い海を好むため、東北地方や北海道で多く漁獲され、青森県では刺身や焼き物の食材として人気があります。アブラツノザメは年間を通じて漁獲されますが、盛漁期は12月から6月で、特に12月から2月に漁獲されるものは身が引き締まり、年間で最も美味しいとされています。

食材自体にクセがないため、照り焼き、煮つけ、フライ、から揚げ、炒め物など、さまざまな料理にアレンジできます
食材自体にクセがないため、照り焼き、煮つけ、フライ、から揚げ、炒め物など、さまざまな料理にアレンジできます
サメの刺身
サメの刺身
サメのすくめ
サメのすくめ
サメの蒲焼き
サメの蒲焼き
サメの醤油つけ焼き
サメの醤油つけ焼き
むきサメ
むきサメ
皮をむいた状態のアブラツノザメ
皮をむいた状態のアブラツノザメ

縄文時代から続くサメ食文化

サメ類は、血液中に多量の尿素を含んでおり、時間が経つとアンモニアのような臭いを発するため、新鮮なサメ以外は練製品の原料として使われることが一般的です。しかし、青森県で延縄漁によって漁獲されたサメは鮮度が高く、迅速に処理されるため、ほとんど臭いが残りません。

青森県では古くからサメ食文化が根付いており、三内丸山遺跡からは、アブラツノザメやホシザメの骨が他の食用の骨と共に発掘されており、これらのサメが縄文時代から食用にされていたことが明らかになっています。

現在、青森県内のスーパーなどでは、主に皮をむいた状態の「むきサメ」(または棒サメ)として販売されており、地域の食文化を今に伝えています。縄文時代から続くこのサメ食文化は、現代でも青森県の人々に愛されています。

アブラツノザメを使った料理

アブラツノザメは、小骨がなく、身が柔らかく食べやすいことから、様々な料理の材料として使われています。代表的な料理としては「サメのすくめ」。「すくめ」とは、サメの頭や身などを茹でて、酢味噌と大根おろしとで和えたものです。
主産地の一つである三厩地域では、お正月に「サメの飯ずし」を食す習慣があり、お正月に備え、お母さん方が11月頃から漬け込み作業を開始します。その他にも、なま酢、煮つけ、蒲焼き、から揚げやフライ、また、新鮮なサメは、刺身としても食すことができます。

旬のカレンダー

1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
  • 旬の時期
  • 流通時期

主な生産地

青森県内では、主に、八戸市や大間町・外ヶ浜町・鰺ヶ沢町などで漁獲されていますが、県内でサメと言えば、津軽半島の先端、外ヶ浜町の三厩地域が有名です。

  • 津軽
    • 外ヶ浜町
    • 鰺ヶ沢町
  • 南部
    • 八戸市
  • 下北
    • 大間町