美しい翡翠ひすい色に驚き!青森県が生んだプレミアムな「あすなろ卵」

皆さんは、“卵の殻の色”といえば、どんな色を思い浮かべますか?
一般的にスーパーなどでよく見かけるのは、白色(白玉)や褐色(赤玉)ではないでしょうか。
ところが、青森県には、通常の卵のイメージをくつがえすプレミアムな卵があります。なんと、卵殻が薄青緑色をした「あすなろ卵」です。野辺地町にある地方独立行政法人 青森県産業技術センター 畜産研究所を訪ね、お話を伺いました。

美しい翡翠ひすい色に驚き!青森県が生んだプレミアムな「あすなろ卵」

旧 青森県畜産試験場が20年の歳月をかけて開発

「あすなろ卵鶏」は、青森県畜産試験場(現 地方独立行政法人 青森県産業技術センター 畜産研究所)が、約20年かけて開発しました。父方鶏種は、南米チリ原産で青色卵殻色遺伝子を持つアロウカナ交雑種。母方鶏種は、卵黄卵重比で改良した白玉卵鶏・白色レグホンです。

「あすなろ卵鶏は、デビューまでに約20年を要し、一般配布を開始したのは1992年のこと。研究開発を始めてから現在まで30年以上経過しています」と、語るのは、同研究所総括研究管理員の川畑正寿さん。父親譲りの神秘的な青緑色の卵殻と、卵黄割合が高い母親譲りの特徴を併せ持つのが「あすなろ卵鶏」です。県の木「あすなろ」にちなんで命名されたといいます。

青緑色の卵殻とボリューミーな卵黄

「あすなろ卵鶏の卵の特徴は、まず、なんといってもこの 翡翠 ひすい 色の卵殻。卵殻色のばらつきが少ないのも特徴です」。そう言って、研究員の佐藤典子さんがあすなろ卵を見せてくれました。宝石の 翡翠 ひすい のように青緑色に輝く卵殻は、どこか神秘的な雰囲気で吸い込まれそうな美しさです。

「卵黄が大きく、卵黄割合が高いことも特徴のひとつです」と佐藤さん。一般的な鶏卵は、卵黄の割合が卵全体の27パーセント程度なのに対して、あすなろ卵の卵黄はなんと30パーセント超! たかが3パーセントと思うかもしれませんが、1個60グラム程度の鶏卵における3パーセントの差は歴然。卵黄がボリューミーで存在感たっぷりです。

おうち時間が増え、人気急上昇中の「あすなろ卵」

「ゆで卵にしたので、どうぞ味わってみてください」と、佐藤さん。目の前に運ばれてきたのは、ゆでたての「あすなろ卵」です。宝石のような翡翠ひすい色の卵を手に取り、その殻を割るというワクワク感がたまりません。殻をむくと、つややかに輝く白身がぷるんと現れます。包丁でカットすると、まず驚くのは卵全体に占める卵黄の大きさ! 一口食べると、卵黄の濃厚な甘みとコクが広がります。食べ応えも充分で、リッチな満足感に包まれます。

「おうち時間が増えた今、日々の食卓にちょっと珍しい食材を採り入れてみたいというニーズが高まっているせいか、全国でも『あすなろ卵』が人気を呼んでいます。当研究所にも問い合わせが増えているんですよ」と、佐藤さん。お取り寄せして家族で楽しむのはもちろん、特徴的な外観も話題性が高いので贈り物にもぴったりです。

畜産研究所では、現在も「あすなろ卵」の品質(卵殻色・卵黄割合・卵黄重)維持・強化のために、日々、種鶏の改良を行っています。そうして大切に育てた「あすなろ卵鶏」のひなは年間約3,000羽出荷され、各生産者のもとで飼育・採卵が行われます。

生産者の惜しみない愛情と心意気、青森の大自然が育む「あすなろ卵」

青森県内には、畜産研究所から供給された「あすなろ卵鶏」を飼育し、あすなろ卵を生産・販売している生産者さんがいます。今回は、そのなかから2社をご紹介します。

こだわりの自家製配合飼料で育てた「東北牧場の青玉」

東北町にある「東北牧場」では、あすなろ卵を生産し、「東北牧場の青玉」という商品名で販売しています。東北牧場の卵は、平飼い有精卵です。おいしさの秘密は、他にはまねできない自家製配合飼料。農薬や化学肥料を一切使わずに栽培した東北牧場産のデントコーンをメインに、青森県産の魚粉、ホタテの貝殻、米ぬか、小麦をブレンドしたものを与えています。
卵特有の臭みがない、おいしい卵です。民間の検査機関エスアールエルによって、「残留農薬ゼロ」であることが証明されています。

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「東北牧場」によると、「おすすめの食べ方は、卵かけご飯。まずは、醤油などをかけずにお召し上がりください。そのあと、醤油や天然塩をかけてどうぞ。目玉焼きもおすすめ。加熱しすぎないように超半熟状態がおすすめです」とのこと。全国にもファンが多く、卵好きをうならせる「東北牧場の青玉」です。


東北牧場「有限会社身土不二」
0176-62-9200
https://www.tohoku-bokujo.co.jp/
購入できる場所

健康な鶏が生んだ健康な卵「緑の一番星」

田子町にある「田子たまご村」では、鶏の健康のために飼料添加物や抗生物質などはいっさい与えず、良質なリノレン酸を含むエゴマや田子特産のにんにく、ヨモギ、桑の葉、海藻、木酢液のほか、現在注目されているアスタキサンチンなどを与えて飼育しています。また、水道水は使わず、山奥の湧水を鶏舎まで引いて与えています。

「緑の一番星」は、「お客様に安心・安全なもの、そして何よりおいしいものを届けたい!」をモットーに、エサ、飼育環境に徹底的にこだわり、50年以上、鶏と向き合ってきた社長をはじめ、全スタッフ一押しの卵です。

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そんな卵のおいしさを最大限に味わうには、「やはり生が一番のおすすめ。ぜひ、卵かけごはんでお召し上がりください」とのこと。炊き立てご飯の上でつやつやと輝く鮮やかな卵黄!

青森のおいしいお米との相性も抜群で、思わずおかわりしたくなること間違いなしです。


有限会社 エコ・グリーン
0179-23-0139
http://www.tamagomura.com
購入できる場所

「あすなろ卵」は、青森の開発技術と生産者の愛情、そして気候風土によって育まれた、青森生まれ・青森育ちの逸品。ぜひGWに家族で味わったり、遠くに住む大切なあの方に贈ってみませんか。

今回お話を伺ったのは

地方独立行政法人 青森県産業技術センター 畜産研究所

中小家畜・シャモロック部

総括研究管理員 川畑正寿さん・同研究員 佐藤典子さん


青森県産業技術センター 畜産研究所 (2021年4月)

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