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特集:あおもりの旬 2010年10月号「十和田湖のひめます」

 紅葉シーズン到来!紅葉の観光地といえば、なんといっても奥入瀬渓流・十和田湖です。今回はその十和田湖の名産「ひめます」を特集します。

十和田湖とひめます


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十和田湖

 十和田湖は青森県と秋田県にまたがった、湖面標高400m、最大深度327m、透明度25m、周囲44kmの二重カルデラ湖です。十和田湖の四季は、それぞれに変化に富んでいて魅力的です。9月下旬から11月上旬にかけての紅葉の美しさはいうまでもありません。
 十和田湖にはかつて食べられる魚は一匹も住んでいませんでした。十和田湖に初めてひめますが放流されたのは明治36年。和井内貞行氏が、青森県が支笏湖から移入したひめますの卵を譲り受け養殖に成功し、十和田湖へ放流しました。2年後の秋、風が全くないのに湖面にさざ波がたち揺れるように岸に迫ってきました。放流したひめますが産卵のために岸の浅瀬に押し寄せてきたのです。「われ幻の魚を見たり」、まさにこの瞬間でした。
 こうして和井内氏は、ひめますの養殖に生涯を捧げ、魚の影すら見えなかった十和田湖をひめますの漁獲量が日本屈指の豊かな湖に変えました。

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和井内 貞行(わいない さだゆき)氏とは

 十和田湖の開発に一生をかけた男、それが「和井内貞行」氏です。真珠の御木本幸吉とハマチの野綱和三郎と並ぶ「近代日本の養殖三偉人」の一人として有名です。
 和井内氏が小坂鉱山に赴任し十和田湖畔に住むようになったのは明治14年(1881年)のこと。当時の鉱山労働者の食事は干物か塩漬けのおかずで、湖畔に暮らす人々に新鮮な魚を食べさせたいと考えたことから、養殖事業に着手しました。
 当時、何人もの人が十和田湖に魚を放流し失敗していました。そんな中、和井内氏は、鉱山に勤めながらコイやサクラマスを養殖し放流しましたが、期待した程の効果をあげることができませんでした。18年もの間、何度も失敗を繰り返すも辛抱強く研究を続けました。
 明治35年(1902年)、十和田湖の水質や周囲の様子が阿寒湖、支笏湖に似ていることから、阿寒湖産のカパチェッポ(ひめますの原名・アイヌ語)が適するのではないかと考え、青森県が取り寄せた支笏湖産のひめますの卵3万粒をふ化させ、翌36年(1903年)、湖水に放流しました。その2年後、放流したひめますが産卵回帰したことで移植の成功が広く世間に知られることとなりました。以来、和井内氏の手によってふ化放流が続けられ、その基礎は着々と築きあげられていきました。
 また、和井内氏は養殖事業だけでなく、十和田湖国立公園の編入運動を起こすなど十和田湖の観光開発にも貢献しました。

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ひめますのふ化事業

 現在、ひめますは絶滅が心配されるほど減ってきている中、十和田湖ではひめますのふ化事業に取り組んでいます。ふ化事業は十和田湖増殖漁業協同組合により行われ、組合のふ化場が和井内地区にあります。
 ひめますは成熟すると、放流されたふ化場の前の岸に戻ってきます。その回帰性を利用し、親のひめますを採捕します。その後、採卵・加精の作業で出来上がった受精卵をふ化させます。ふ化したひめますは約5cmの大きさに成長するまで、山の湧水を引いたふ化場の池で育てられます。ひめますの生育には綺麗な水が不可欠で、こうして飼育されたひめますが十和田湖に放流されるのです。十和田湖のひめますが豊富なのは、このふ化事業のおかげだといえます。
 また、今から12~13年前、十和田湖のひめますの漁獲量は著しく減少しました。組合員は十和田湖の水質が関係していると考え、水質浄化や環境保全に力を入れた結果、ひめますの漁獲量は全盛期ほどではないものの回復し、十和田湖の透明度はあと4メートルで日本一のところまできているそうです。

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十和田湖ふ化場
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ひめます稚魚
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ふ化場漁の様子
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水揚げされたひめます

ひめますってどんな魚?

 ひめますは、サケ科の淡水魚で、紅鮭の陸封型(紅鮭が湖で生活しているうちに海に下ることができなくなり湖で一生を過ごすこととなった)の魚です。日本の原産地は阿寒湖とチミケップ湖で、そこの卵が支笏湖へ、支笏湖の卵が十和田湖へ、十和田湖の卵が中禅寺湖へというように、日本全国の冷水湖に移植放流されました。現在では冷水湖や高地の湖に生息しており、青森県内では、十和田湖のほかに蔦沼に放流されています。

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 ひめますは、「ひめ」の名にふさわしく、姿が美しく体の色が綺麗な魚です。頭部と体の背部は青緑色で背中と尾びれに黒い小さな斑点があります。体側は銀色、腹部は銀白色で、成熟すると体側後方が赤く変化し婚姻色となります。


十和田湖産ひめます料理

 ひめますは元々は紅鮭なので味も美味しく、料理のバリエーションも豊富です。
 十和田湖産のひめますは、お刺身や塩焼きとして旅館、民宿、食堂などで提供されています。また、カルパッチョやムニエルなどフランス料理の食材としてホテルでも提供されています。
 ひめますの魚肉の色はきれいなサーモンピンクで、味はとても美味なことで知られています。お刺身は甘みがあってとろける美味しさです。海で育つサケ・マス類は一般的に寄生虫の危険性があるので生食の場合は一度冷凍しますが、ひめますは海に出ることなく湖の低水温域に生息していることから、冷凍することなく生の刺身で食べることができるのです。

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ひめますのムニエル
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ひめます焼寿司
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ひめますの塩焼き
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ひめますの刺し身

 また、十和田湖畔で提供されるひめますの刺身にはこだわりがあります。料理にその日に捕れたひめますを使用するのはもちろんですが、捕れた魚を選別する際に、前日の夕方に網にかかったものと当日の朝に網にかかったものとを分け、当日の朝に網にかかった、とても新鮮なひめますのみを刺身として提供しています。

 紅葉などで十和田湖にお出かけの際には、十和田湖の特産、こだわりの「ひめます料理」を是非ご賞味ください。


十和田湖産ひめます料理の食べられるお店

 十和田湖産ひめます料理の提供店は、下記ページにてご覧ください。


ひめますの加工品


湖畔の商店では、ひめますの押し寿司、薫製や甘露煮として、みやげ品としても販売されています。

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ひめますの薫製
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ひめますの押し寿司

十和田湖・奥入瀬渓流 観光情報



掲載日 2010.10.1


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