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産地レポート 〜 生産者の声 〜

むつ湾のナマコ・・・野辺地漁協(野辺地町)

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 お正月にはナマコが欠かせない。 こう言ってはなんだが、正月の縁起物に何故?グロテスクなナマコか? そう思ってらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
 どうやら、江戸時代、米俵に似ているということで豊作に通じた縁起物としてお正月のお雑煮の具(上置)に用いられたことかららしい。確かに、固くなったナマコは、米俵型になる。
 一般的には、酢の物として食べることが多く、味よりはコリコリとした独特の食感を楽しんでいるのでは。

 日本のナマコの種類は、200種といわれているが、そのうち食用に供されるナマコは、30種類ほど。本県の陸奥湾で一般にみられるのはアオナマコ。地方独立行政法人青森県産業技術センター水産総合研究所では特記しない限り、ナマコと 記載した場合はアオナマコのこととしている。

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縁起が良いという白ナマコ

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俵型?かな?

 むつ湾に面した野辺地漁港。 漁期は、10月1日からだが、11月下旬からナマコの水揚げが活気づく。海水温が高い時期は休眠し、冬に活動し旬を迎える。

 大型漁船での漁は、12月中旬ぐらいまでで、漁期終わりの4月までは、小型船による、桁曳き漁と底見漁になるという。 底見漁とは、箱メガネのような道具で、海底を覗き、網ですくう漁。ナマコは、岩の間に居り、あまり動かないので、簡単に網に入るという。
 底見漁の漁場は、藻場区といって、アマモ類が繁茂している藻場海域 一方、大型船での漁は、桁曳き網漁の漁場は、沿岸。文字通り網で引き上げるため、底を浚い、大量に揚げられる。 藻の損傷を防ぐため藻場海域では、操業できない。 生息環境を守るため、底見漁と桁曳き網漁の漁場は分けられている。

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水揚げで賑わう野辺地漁港

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底見漁の船
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箱メガネと網

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桁曳(けたひ)き網漁船

 朝6時ごろから出港した船は、午前中に帰港する。
 港では、荷揚げの作業員が、港で立って待つ。機敏な動きであっという間に水揚げし、荷捌き上に運ぶ。 ナマコが次々と揚げられ、漁業者の名前の書いた紙をナマコがその体で押さえている。

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入港する船を待つ

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漁業者の名前はナマコで押さえて
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ずらっと並んだ加工用ナマコ

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海のごみは最終処分場へ

 水揚げが終わった船は、ナマコと一緒に運んできた雑多な収集物、「海のゴミ」を降ろす。これらは、最終処分場へ。漁をしながら、お掃除もしてくる。

 荷捌き上では、乾燥や日光から避けるためシートで覆う。 水揚げ場にずら~っと並んだ、ナマコは、ほとんどが加工用。 干しナマコにされ、中国に高値で輸出される。 近年は中華料理の食材として高値で取引されることが多く、加工品の輸出が盛んになり、ナマコ漁獲量も急増した。最近はそのために保護水域や漁業水域での密漁が横行している。

 加工用のナマコは、干すため縮むので、多きいほうが良く、生食用のナマコは、味の良い小さいほうが美味しいという。 江戸時代にもナマコは、中国(清)への主要な輸出品だった。 中国では漢方薬として古くから滋養強壮薬、皮膚病薬として用いられ、「海参(ハイシェン)」と呼び、その強壮作用から「海の朝鮮人参」という意味で名づけられていたという。
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手前:加工用後ろ:生食用

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組合長が乗っている監視船

 水揚げの終わった漁港には、最後に漁の監視船が入港する。漁の安全と監視をする監視船は、漁協の組合長が乗り、漁の安全を見届け、帰港する。

 そして、監視船のもうひとつの任務。水揚げをした浜の人達は、今度は、せっせと監視船にナマコを積み込んでいる。水揚げされたまだ小さいナマコを海に帰してやるのだという。 野辺地漁港では、漁の船が帰った後、資源管理のもう一つの仕事が待っている。
 単に利益を得ようとするだけの密漁者には、この海を大事にし、海の恵みのへの感謝を捧げる本物の漁師達の姿勢は分かるまい。

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小さいナマコは海に戻される


[お問い合わせ]

野辺地町漁業協同組合
青森県上北郡野辺地町字野辺地568
電話:0175-64-2264
http://www.jf-nohejimachi.com/

追伸:

 平成26年12月19日(金)ナマコフォーラム2014 主催 弘前大学農学生命科学部 共催 あおもりナマコブランド化推進協議会 講演 青森市 が開催された。

 「中国ナマコ養殖の現状と今後の方向」と題して、中国揚州大学副教授 包 衛洋 氏、「中国インターネットナマコ販売から見るナマコ消費動向」と題して 中国杭州千歳旺食品有限公司 小松 立夫 氏、「中国での日本産ナマコ直接販売への弘前大学支援と販売の課題」と題して、弘前大学農学生命科学部 澁谷 長生 氏が講演しました。
 その中で、中国揚州大学副教授 包 衛洋 氏は、ナマコの養殖がかなりのスペースで広がりを持ってきたこと、養殖に伴う水質汚濁による一時期あった、薬剤による除去に触れ、今は無いと表明した。
 中国杭州千歳旺食品有限公司 小松 立夫 氏は、ネット販売での難しさを伝え、個人需要を拡大するためにも、ナマコの戻し方から、調理に至るまで、丁寧な説明が必要と説いた。
 弘前大学農学生命科学部 澁谷 長生 氏は、実際、現地で店舗を借りての販売についての課題から、1.ネット販売 2.来日中国人観光客への土産品としての販売を提唱した。

 講演の後、質疑応答が行われ、県内外の行政、研究機関、水産会社、漁協関係者の討論が続いた。

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ナマコフォーラム2014

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澁谷 氏 小松 氏 包 氏
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会場


掲載日 2015.1.1


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