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産地レポート 〜 生産者の声 〜

香り高い「春掘りごぼう」…金沢 幸弘さん(六戸町)

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 青森県六戸町はごぼうの一大産地。 となりの三沢市と合わせると7500t、出荷量は、県内一、いや日本一だという。

 3月下旬から春掘りごぼうの収穫が始まった。 六戸町金矢にある 金沢 幸弘さん の畑でも5町歩の畑を収穫用の大型機械が忙しく走り回っていた。金沢さんは昭和60年頃からごぼう栽培を始め、30年近くの栽培実績がある。 六戸町でも1、2を争う古参農家。

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金沢さんのごぼう畑
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六戸町ごぼう生産の先駆け

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越冬したゴボウは香りがつよい

 ごぼうは春に種を蒔き、その年の秋に収穫する「新ごぼう」と越冬させ春に収穫する「春掘りごぼう」がある。

 「春掘りごぼう」は、秋に収穫する「新ごぼう」に比べ、香りが強く、身が引き締まってアクが少ない。
 「収穫作業をしていても、プーンとごぼうの匂いがするんだよ」と金沢さん。匂いで収穫を実感する。

 昔は、秋だけ収穫し、掘り取った後、土の中に埋め、翌年まで保存していたが、その年の天候や埋める土の深さにより、腐るものが多かったという。
 「春掘りが出来るようになったのは、いい機械が出てきたからだよ、昔のような1本ずつ掘り取っていく小さい掘削機のような機械では、こうはいかなかったよ。」と金沢さん。秋の収穫時に掘り取らず、そのまま越冬させるため、生育状態の良いままで保存できる。

写真後ろを注意しながら運転
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農業は機械と品種による
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春掘りが出来るのは機械のおかげ

写真高価な機械です

 大型機械は、畝に一列に並んだごぼうの芽を覆いながら、掘り出していく。吊り下げられるように掘り出されたごぼうは、並んで進む収獲台を載せた車に積み込まれていく。機械は農家の作業を著しく変えた。

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土中からごぼうが掘り出されています
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芽が出てきます。
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掘り取り機と積載車
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ゴボウの生命力。収穫後もこの勢い

 続けて金沢さんは言う「あとは品種だな。種だよ」
 金沢さんが栽培しているのは「柳川中生」。根本の割れが少ないという。

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品種は柳川中生
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根本が割れない

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種が入っているシード

 種蒔きも昔とは大きく変わった。ごぼうの種は、かなり小さいので、等間隔に植え付けていくのが難しい。
 そのため、今は6cmと7cm、8cm間隔の3種類のシードテープ(発芽促進物質でコーティングした種がテープに張り付けてあり、糸車のような状態になっている)があり、それを三輪車のような車で引いて、畝に定着させていく。テープは、生分解性テープやオブラートで包まれており、土中で自然分解する。

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オブラートに包まれた種
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ごぼう植え付け機

 種子間隔の違いで収穫時期が違う。 6cm間隔のものは、4月~5月に種を蒔き10月ごろの収穫、7cm間隔のものは 8月下旬から9月いっぱいの収穫とテープの種子間隔が長くなるほど収穫時期が早くなる。8cm間隔のものは、春の種まきに遅れた人が、遅くなったのを挽回しようと蒔けば、秋の収穫に間に合うということになっている。これを使うことにより、順調に規則的に発芽し、間引く手間が省ける。金沢さんの言う「農業は機械と種」という意味が理解できる。もう一つ、私見で言わせてもらえば、「農業は自然科学と機械工学だ!」と思う。

 春掘りごぼうの収穫が終わると、春の種まきが始まる。ごぼうは、土中の微生物やウィルスに弱く、土壌消毒しなくては、先が割れたり、細い根ばかりになったりと、まともなごぼうは育たないため、種まきの前に、まず、土壌消毒をする。この土壌消毒のための消毒剤は、かなり揮発性が強いため、土壌に打ち込むと同時に、マルチで覆っていく。2週間ほどすると、消毒剤の効用は消え、種まきが出来る。金沢さんは、土壌消毒後は、夏場に3回ほどの殺虫剤と殺菌剤を1回だけ使う。他の地域に比べると、青森県は冷涼な気候のため、農薬散布が少ない。

 収獲したごぼうは、農協の選果場に運ばれ、大きさごとに詰められ、直、出荷される。

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選果
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売れ筋はMサイズ
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うず高く積まれたごぼう
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好きなごぼう料理はかき揚げと鍋物

 金沢さんの好きなごぼう料理は、「ごぼうを入れた鶏鍋」と「ごぼうのささかきの天ぷら」だそうだ。 春の味を頂く喜びは、生産者ならではの喜びもあるのでは。


[お問い合わせ先]

JAおいらせ六戸支店
青森県上北郡六戸町大字犬落瀬字柴山2-62
電話:0176-55-3101

掲載日 2013.5.1


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