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産地レポート 〜 生産者の声 〜

食生活のバラエティーが広がる 小麦新品種「もち姫」…赤沼営農組合(十和田市)

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 「もちもち」とした食感の小麦が話題を呼んでいる。もち性小麦新品種「もち姫」だ。

 「もちもち」というともち米等、お米のイメージが強いが、米ではなく麦なのだ。従来のもち性品種より耐寒性および耐雪性に優れ、東北地域での栽培に適するよう東北農業研究センターが開発した。

 実はこの「もち姫」青森県では、5年ほど前から栽培されていた。何故、「もち姫」があまり知られない存在だったかというと、販売先がなかなか見つからないことと、県産小麦奨励品種であるキタカミコムギやネバリゴシが播種前契約の出荷量に到達していないという事実が大きく作用し、栽培の弾みがつかなかったことがあげられる。まずは、キタカミコムギやネバリゴシの栽培面積を増やし、出荷量を確保しなくてはならないという考えの基、何も新しい品種に手をださなくてもという考えがあった。

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赤沼営農組合 沼館 組合長

 この「もち姫」を作っているのが、十和田市赤沼の赤沼営農組合。 設立は平成16年。平成19年に農事組合法人となる。組合員数70名。
 平成20年、もち姫を立毛間は種(大豆と小麦の併裁)5反部(50a)で作付。翌年の21年7月には、10a当たり、300kg1,6tを収穫。22年産の収量は、1tほど。これが粉になると半分ほどの500kg。23年産の作付面積は1.5ha+0.2ha。0.2haは、営農組合内部の試作品用。

 「もち姫」は耐雪性に優れているとはいえ、やはり十和田市のように雪が少ない所の栽培が適しているという。

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大豆と小麦の栽培を一緒の畑でする
立毛間は種

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収穫時の大豆と小麦が綺麗に整列
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大豆の刈り取り
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大豆は収穫され中

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チャレンジだ!

 県の研究センターから作付を依頼されたとき、組合長の沼岡さんは、「チャレンジ」だと思ったという。「仮に収量が少なくても、損をしてもいいと思った。全体経営の一部として、リスクばかり考えるのではなく、良い物が穫れるようになったら、それでいい。」と思ったという。

 赤沼営農組合は、十和田市中心部から、車で約7~8分。地理的に市街地に近いため、小さい集落ながら情報の受けが早い。営農指導員によると、昔から組合員の理解も早かったという。
 収穫したもち姫の粉は、営農組合員も試食し、この地方の郷土料理「ひっつみ」にして食べたところ、好評だったという。今後、組合員のお母さん方が、メニューを開発し、直売所で売りたいとの希望も出てきたという。
 生産者が「これは良いから、美味しいから」という意識の元に作られる農産物は、強い。

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(独行法)青森県産業技術センター
主任研究員:前嶋さん
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十和田市街から近い

 これに、後押しされるように、もち姫の研究会が立ち上げられた。県立保健大の藤田教授を中心に地方独立行政法人青森県産業技術センター・(財)21あおもり産業総合支援センター・東北農業研究センター・地元商工業者等で研究会を立ち上げ、今後の「もち姫」の活用と生産販売に取り組んでいる。

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青森県立保健大学 藤田先生
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21あおもり産業総合支援センター
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東北農研
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県産業技術センター
菊池部長・前嶋研究員

 もち性小麦粉の特長を活かした小麦粉せんべい、新しい食感を持つ菓子やロールケーキなどが考えられている。製品の開発が地域の活性化につながると期待されている。
 因みに、煎餅にすると、通常の噛み切る圧より少なくても噛め、ロールケーキなどに加工すると、うるち性小麦より、もっちりした食感が楽しめるという。

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ザイケ真幸堂の煎餅
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しみず食品のつみれ風だんご

 特に、藤田教授は、「老人食」取り分け、「餅」に大きな期待を寄せている。
燕下障害など、年齢と共に、飲み込みにくくなるため、毎年餅での窒息死が報道される。「もち姫」で作った餅は、飲み込みやすいという。
 「食」は人間の楽しみ。いくつになっても好きな物が食べられることは、心身共に、健康に過ごせる。食のバリアフリーの観点からも、このもち姫の製品が容易く手にはいるように、早くに産地銘柄指定品種になり、生産が順調に回っていくことを期待している。

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もち小麦全粒粉ピザ

 今後のこの「もち姫」の生産・販売に注視していきたい。


「もち姫」の試作品
ピザ:十和田焼山 ノースビレッジ
http://www.novi.jp/index.html
生地:もち小麦:全粒粉(皮ごと製粉)もち小麦=4:1


[食品の機能性のお問い合せ]

青森県立保健大学 藤田教授
電話: 017−765−4176

研究会事務局
(財)21あおもり産業総合支援センター(担当 中館さん)
電話:017−777−4066




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