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産地レポート 〜 生産者の声 〜

養豚で土作り、甘い美味しい国産栗「田子の栗」…山蔭農園(田子町)

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写真 田子町で親子2代、40年近く、栗を生産している人がいる。山蔭 哲也さん。
 山蔭さんの家は、養豚が主業。栗はお父さんの、どちらかというと趣味的領域だったというが、その頃からお父様が作る「田子栗」は味が良いと言われていた。 山蔭農園の栗の味が良いのは、主業である養豚からの肥料で、栗園の土作りをしているから。
 山蔭さんが大学3年生の時、お父様が亡くなった。祖父と父でやってきた養豚は、今は山蔭さんと奥さんのご夫婦でやっている。「農家の長男だから、いつかは家を継がなくてはと思っていた」という。栗の栽培を受け継いだ山蔭さんは、全くの素人で、お父さんからの技術も伝授されてはいなかった。手探り状態の中で、結局、自費で茨城まで勉強に出掛け、友人・知己を得た。

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父の代からの樹ですが、大分減らしました。
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40年ほどになる樹

写真  栗はブナ科の落葉樹で、6月下旬〜7月頃に花が咲き、9月〜10月頃に実が熟成し、自然に「イガ」が裂けて中から堅い実が現れる。厳密には実ではなく、種子。栗は種子が発達したもので、ナッツの類に属する。
  山蔭さんが栽培している栗は、主に約5種類。(筑波・有馬・石鎚・利平・銀寄)。主力は「筑波」。

 2月、雪が腰ほどある時に剪定する。その頃には、雪は硬くなっているので、埋まってしまうことはなく、高い樹との高低差を埋めてくれる恰好の梯子となってくれる。

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山の畑へ
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栗の木によってしなり方が違う
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まずは全体を見て

 3月、雪が消えるとやり残した樹の剪定。何せ、3haもの広さの栗園を一人で管理している。他のもう一つの栗園は、2haあるという。

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道具1:ハサミ
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道具3
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剪定し終わった栗林
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道具2:鋸
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道具4

 高い木の上の作業を一人で行う。剪定は樹の葉が茂ったときの様子を思い描いて剪定しているという。(葉が茂るとこのようになる)

 剪定を徹底して行い、日当たりと風通しを確保することで、栗園の環境を良くすることが、病害虫防除の決め手となり、結果、薬剤の使用を抑えることにつながるという。

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良い風が吹く農園
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この時期のしげり具合を想像して剪定する
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葉が重ならないように

 6月。今年は梅雨が長く、梅雨明けがはっきりしなかった。お陰で、例年より草が多かったが、草刈りに威力を発揮するのが、お父様が買ったというアメリカ製の草刈り機。優れ物だと山蔭さんは言う。栗の木に当たると、開閉し上手く避けて通る。2週間もすると、また雑草でいっぱいになるという。収穫まで何度となく、草刈りをする。

 7月。栗の花が咲き、もう雌花の先に実がなっている。上を見上げると、糸のような細い白い虫。モモノゴマダラノメイガ。 これは、花芽を落としてしまう虫。花芽が落ちると実がならないため、防除するが、なかなか取りきらないという。

 8月。収穫の近づいたこの時期に厄介なのがクリシギゾウムシ。まだ栗の実が緑色をして柔らかいうちに、栗の皮に穴を開け、卵を産み付けるという。栗の実の中で孵化した幼虫(イモムシ君)は、栗の実を食べて成長し、大きくなると実を脱出して地中でサナギになる。

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樹にぶつかりそうになるとローラーが
引っ込むアメリカ製の草刈り機
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7月。これが栗の赤ちゃん
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ぶら下がってるモモノゴマダラノメイガ
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クリシギゾウムシに食べられた栗

 山蔭さんの栗は、なるべく薬剤散布を抑えているが、必要最低限はやはり仕方ないという。それでも、全部が全部除去できない。農産物は、どれに限らず雑草と病害虫の闘い。自然にある栗と違い「栽培」となると、収穫までには様々な作業がある。

 9月下旬から10月中旬。収穫。樹上には、パックリと口を開けた「イガ」が・・・。下にも落ちている。
 収穫は手作業。この時期、家族だけでは手が足りず、臨時に人を雇う。栗拾いは、腰をかがめて行うため、腰が痛くなる。片手を膝に置き、体重を支えるとやりやすいと言うが、やはり、疲れるようだ。

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樹上でパックリと口を開けて
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栗が落ちてます
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収穫収穫は手作業
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イガの刺さらない手袋

  山蔭さんのお母さんの英子さんは、「栗拾いしているから腰曲がるんだよ」と言われたくないので普段は姿勢に気を付けているという。苦労は見せまいという、なかなかの反骨精神の持ち主。楽しみながらの栗拾いと違い、「業」として行う栗拾いは大変だ。

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一つずつ拾っていく
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膝に手を置いてやると疲れないと言う

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やはりそれでも疲れるのでお座り

 収穫した栗は、選果・選別(最低2回、虫食いの物を外し、形の悪いものをはじく)・薫蒸・保冷・乾燥・磨き・箱詰め作業が続き、出荷される。
  選別作業ではじかれる栗は、収穫量の20〜30%ほど。はじかれた栗は、食用に販売されることはない。安く販売することも出来るが、山蔭さんは、信用を守るためにも、けっして販売はしない。

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収穫した栗は
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網の目に・・
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大きさ毎にかごの中に
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選別2.形の悪い物をはじく
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冷蔵庫で保管
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選果機へ
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網の目の大きさの違いで振り分けられ選果
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上下振動で栗が踊る

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選別1・虫食いをはじく

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薫蒸
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S・M・Lの順

 薫蒸処理は、安心して美味しく食べるための一つの方法。前述したクリシギゾウムシは全部除去しきれないため、収穫した栗をそのまま貯蔵すると、中でさなぎとなって実を食べ尽くすため、保存するものは薫蒸による殺虫処理が行われている。
 薫蒸処理により私たちは、栗の皮をむいたら幼虫がいた、という経験をしないですむようになった。 前に、全くの無農薬栽培の薫蒸していない栗が欲しいという量販店に無農薬で出したところ、虫がいたというお客さんからの苦情で、結局、その後注文は無かったという。

 山蔭さんの使っている機械類は、みんなお父様から引き継いだもの。草刈り機・選果機・栗磨き機。

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草刈り機
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選果機
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栗磨き機
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馬の毛で出来た絨毯のようです

 薫蒸して冷蔵庫に入れていた栗は、出荷に際し、風乾し、磨いて出荷する。栗磨き機のロールの部分は、馬の毛。ちょっと硬い絨毯という感じ。ころころ・・とではなく、高速で栗を回転して磨く。農機具も色々と工夫されていて、なかなか面白い。

 山蔭農園の栗の贈答用箱は、ヒバの葉が敷かれ、イガ栗が真ん中に入って、紅葉が添えてある。これは、亡くなられたお父様が始められたこと。今でも忠実に守っている。里の秋の便りは、お客さんへの感謝の気持ちと、やはり、「一生懸命作ったんですよ」と言うお父様のメッセージだったのではないだろうか。
  山蔭農園は、直販がほとんど。毎年約7〜8tの収穫がある。奥さんの奈美子さん曰く、山蔭農園の栗は、「甘みがあって、ホクホクして美味しいこと。一度食べた方は、また、注文してくれます。」という。

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冷蔵庫から出してから少し風乾
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栗を磨く
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特選贈答用
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発送は奥さんの奈美子さんの担当
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販売は主に直販
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リピーターが多いです。

 10月下旬、青森市内のさくら野百貨店の店頭で山蔭農園の「田子栗」が販売された。栽培から、出荷するまでの様々な作業・・・、多くの人は知らずに買っていく。それでも、「美味しかった」「また、買いにきたの」という声でやりがいを感じるという。お客さんの中には、正月まで取っておくために、冷凍するという人もいる。青森市のさくら野百貨店での販売は、11月の10日(火)11日(水)にも行われる。出荷は、11月いっぱいで終わる。

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さくら野での販売
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保存方法
保存するときは新聞紙などに包んで冷蔵室に入れます。 また、多少風味は落ちますが冷凍すれば半年間ぐらいは保存することが可能です。この場合はよく洗ってから水気を切り、ポリ袋などに入れて冷凍庫にいれます。食べるときはそのままゆでればOKです。


[お問い合せ:ご注文]

山蔭農園
〒039−0202 青森県三戸郡田子町大字相米字内ノ沢44
電話&FAX 0179−32−3230

●価格表(税込価格、但し送料は別途)
サイズ 1Kg 2Kg 3Kg
2L(贈答用特選) 1,400円 2,600円 3,800円
L(贈答用) 1,200円 2,200円 3,200円
1Kgネット入り 800円
※2L・Lネット入りは1Kg当¥200円引きです。
※2Lサイズは品薄のため品切れとなる場合がありますので、ご了承ください。
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贈答用
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1Kgネット

●お支払い方法
注文を受けた後、商品を発送し、後日送料込みの金額を郵便振替用紙にてご請求いたします。

 


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