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産地レポート 〜 生産者の声 〜

世界自然遺産白神山地の清水を使用して幻の魚「イトウ」を養殖…赤石水産漁協(鰺ヶ沢町)

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 「魚」へんに「鬼」と書いてイトウと読む。サケ科の魚。 一説には気が荒いから付いたというが、本当かどうかは分からない。
  環境庁(現・環境省)は1991年にまとめた「動物版レッドデータブック」でイトウを「危急種」に指定。その後、1999年の「汽水・淡水魚類に関する新しいレッドリスト」では、イトウは「絶滅危惧IB」に指定。国際自然保護連合(IUCN)は2006年版レッドリストにイトウを初めて掲載し、ランクは「絶滅の危険が極めて高い」(CR)。

写真 イトウが幻の魚となった理由は、その生態に関係する。
  イトウは、サケ科でありながら、サケと違って産卵後も死なず、産卵回数が多い。しかし、環境が変わり産卵場所が無くなったのだ。高齢のイトウのみが生息し、次世代が育たない。高齢のイトウは20年も生きるという。それともう一つ、釣り人にとっては、つり上げてから徐々に色の変わっていくイトウへの人気が高く、需要と供給が追いつかなかったため、徐々に数を減らしていったという。日本最大の淡水魚はこうして数を減らしていった。

 そのイトウを養殖しているのが、鰺ヶ沢町にある赤石水産漁業水産組合イトウ養殖施設。全国的に見ても養殖は珍しいという。養殖担当の中嶋さんは今年で5年になる。

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清涼な成育環境
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中嶋忠信さん

写真 鰺ヶ沢町で養殖を始めたのは、昭和60年。何か鰺ヶ沢をアピール出来る物はないかと考えたすえ、昔は川にいたというイトウを養殖することにした。その頃からイトウは珍しい魚だった。
 サケの孵化場の一角を借りて始めた。その後、国の「内水面振興対策事業」の資金で昭和63年施設を整備し、本格稼働した。養殖を始めるに辺り、ロシアから卵を取り寄せ孵化。 養殖は成功。
  「一番の要因は、白神山地の沢水が15度前後で一定しているため、魚に負荷がかからない」と中嶋さん。
  衛生管理にも気をつけている。水槽の清掃は月1回。このときも、沢水は止めず流しながら清掃する。

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白神山地の沢水を利用
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掃除のための水抜き中でも
水温を一定に保つため給水する

  エサは、イワシ等のすり身を団子状態にしたもの。エサを投げ入れるとバシャバシャとすごい勢いで集まってきた。
 4月に孵化した卵は、1年間は地下水の中で育てられる。1年で6cmほどに育った稚魚は、今度は外の施設に移され沢水で育てられる
 出荷されるのは4〜5年物。体長50〜60cm、体重2kgほどになったもの。エサ抜きのため3日〜1週間出荷用水槽に移される。
 出荷は鮮度を保つため、活き〆される。1匹ずつ重さを量った後、氷詰めにして出荷する。鰺ヶ沢と弘前市内の料理店で食べられるそうである。

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イトウのエサ
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出荷される前のイトウは
2〜3にこの生け簀に入れる
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鮮度を保つため、活き〆される
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氷詰めにして出荷

 さてさて、このイトウどんな味がするのか? 鰺ヶ沢にある水軍の宿で調理してもらった。

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イトウの活き作り
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イトウの寿司
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茶碗蒸し
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身は淡泊で美味しい
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皮の揚げ物

 活け作り・寿司・茶碗蒸し・鍋・皮の唐揚げ等様な料理に変身。味はサケより淡泊でくせが無い。

 幻の魚と言われるイトウ。鰺ヶ沢に来たら一度賞味してみるのもいいのでは・・。

 

[イトウのお問い合せ]

イトウ養殖場  電話0173−79−2639

[食べられる所]

鰺ヶ沢町…水軍の宿 http://sugisawa.co.jp/suigunnoyado/
鰺ヶ沢町…ホテルグランメール山海荘 http://sugisawa.co.jp/grandmer/
鰺ヶ沢町…じょじょ長屋 http://sugisawa.co.jp/nagaya/
鰺ヶ沢町…ナクア白神ホテル&リゾート http://www.naqua-shirakami.jp/
鰺ヶ沢町…なおじろう http://naojiro.ftw.jp/
弘前市……翆明荘 http://www.suimeiso.co.jp/
弘前市……レストラン山崎 http://r-yamazaki.com/




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