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消費地レポート

第92回

日本料理「つきぢ田村」
田村 隆 氏

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【田村 隆 氏 プロフィール】
 昭和32年11月30日、「つきぢ田村」の長男として誕生。玉川大学文学部英米文学科を卒業後、大阪の名門料亭「高麗橋吉兆」に入門。3年間の修業の後、つきぢ田村へ。 調理場の最前線で腕を振るう一方、NHKのテレビ番組や料理学校の講師、また料理本等の出版など、一般に向けた食の伝承にも力を注ぐ。平成22年「現代の名工」厚生労働大臣賞受賞。なお、厚生労働省「日本人の長寿を支える「健康的な食事」のあり方に関する検討会」の委員として、国の施策に も関わっている。(社)日本料理研究会 師範

<主な著書>
隠し包丁、返し包丁、つきぢ田村の隠し味365日(以上白水社)
だしの基本と日本料理(共著)(柴田書店)


 青森県では、今年度より、本県の豊富な農林水産物を使用して「だし商品」を開発するとともに、だしのうま味を活かした減塩を推進することにより、県民の健康寿命の延伸を図ることを目的として、「味感を育む『だし活』事業」を実施しています。
 今回は、この事業の一環として開催された「うま味で減塩!あおもり「だし活」研修会」より、日本料理「つきぢ田村」田村 隆さんの講演をお届けします。(一部抜粋)


演題「だしを活用した料理と作る人の使命」

 2010年の都道府県別の平均寿命調査によると、青森県は、男女とも全国最低だったそうですね。青森県は塩分摂取が多く、そのため、短命県だと伺いました。
 実は先だって、全国一位の県に行ってきました。こちらは、糖尿病全国一位です。理由は、車の保有率が一人一台で、すぐ近くまで行くのにも車を使う、歩かない、ご飯に砂糖を掛けて食べるのだそうです。

 今回は減塩で美味しく料理しましょうということですが、よく愛情を掛ければ美味しくなると言いますが、ただ単に、愛情を掛けても美味しくなりません。
 「煮えばな」と言う言葉がありますね。 「煮えばな」とは、汁物、煮物などが煮えた直ぐ後のことを言います。みそ汁は、煮立ちはじめたらすぐ火を止めるのがいちばん。煮過ぎると、味も香りも落ちてしまいます。
 最初に食事をした子供たちは、煮えばな、次に食べるお母さんは味噌汁ですが、最後に食事をするお父さんは、味噌煮込みとなってしまいます。塩分が濃くなっているんですね。
 愛情を込めるとは、家族の食事時間に合わせて、一回一回作るということです。それを皆さんは、一回で終わらせます。

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 (配布された資料を掲げ)一番だしの取り方が書いてありますが、これは料理屋さんが非常に繊細なお料理に使うもので、家庭では必要ありません。家庭でだしを取るときは、市販のだし調味料に本物のカツオや昆布を入れることで非常に美味しくなります。

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 昆布と言うのは、黒い所からは、うま味が出ないです。切れ目からうま味が出てきますので、家庭では切り込みを入れるか、千切ってください。 断面の長さを多くすることによって、料理屋さんのように大量に昆布を使う必要が無くなります。
 良い昆布と言うのは、高い昆布です。昆布にも色々特性があってどれとは言えませんが、私は、真昆布を使います。真昆布は厚くて、味が濃い。 厚い昆布は、最後まで全部使えます。薄い昆布は、一度だしを摂ったらおわりです。
 昆布の状態の見極めも大事です。 パリと割れる昆布は、水に浸けてからだしを摂りますが、湿気がある昆布は、直ぐに水に入れて火を付けます。

 昆布とカツオのだしをとるときは、湯が沸いてきたら昆布を取り出し、カツオとメジマグロ (マグロの節)を入れ、濾しますが、この時絞ってはいけません。
 一番だしと言うのは、それ自体が美味しいものです。これを何と食べるか。うな重には肝吸いが合いますが、一番だしは、お椀として(吸い物)召し上がって頂きたいと思います。お椀の塩分ですが、大体1.5%ぐらいです。

 厚生労働省は、塩分の摂取を控えるように指導しています。青森県もまた、そのようにしています。ぜひ、だしを活用し減塩を進めて頂きたいと思います。


情報掲載:2014年12月15日



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